「まさかと思うけど…もしかして女?」

佐々木はさっきまで「お、俺は嘘ついてねぇよ!」とか「俺が嘘つくヤツに見える?」とブチブチ反論していたが、俺がその言葉を発した途端、佐々木は男であるにも関わらず顔を真っ赤にさせ、下を向いた。

…ヤローのんな姿なんてみたかねぇよ。

と本気で思ったが、これは当たりだと思い、さらに言ってみた。

「で誰よ、どうせ俺らと同じ中学だろ?」

一体誰なんだ、勉強嫌いの怠け者をここまで変えさせたヤツは。

「っだから俺はいい会社に…」

「あぁもう分かってんだからよ、お前が将来のために勉強するヤツじゃねーってのは」

そんな態度を見せたにも関わらず反論してくる佐々木に、痺れを切らした俺は俺よりも身長が低い佐々木をギロッと睨んでさっきよりも圧力をかけた。

佐々木はそんな俺に文句タラタラだったが、とうとう最後には「分かったよ…」と諦めてくれた。