「なぁ…何でだよ?」

本当のことを訊きだすために、佐々木の顔を覗きこんで圧力をかけた。

「それはだなぁ…や、やっぱ俺もまともな会社に就職してぇと思ってよぉ…」

佐々木の態度は明らかに動揺していた。
わざわざ圧力をかけるために覗きこんだのに、簡単に目をそらされた。

大体佐々木は将来のこと真面目に考えるようなヤツじゃねぇ。

もしかして…いや、もしかしてじゃない。
確実にこいつは嘘をついてる。

「お前…それ嘘だろ?だってお前そんなキャラじゃなかったよな」

試しにカマをかけてみた。
…やっぱりさっきよりも二倍…いや数倍は焦っている。

というよりもこいつが嘘をつくなんて、何か恥ずかしい理由なのかよ?

フッと頭に考えが浮かんだが、「いや、それはベタ過ぎるだろ」と思って捨てようとしたが、こいつのこんな反応を見てまさか…と思い言ってみた。