昨夜一晩中、彼の腕の中で出逢ってからの事をずっと語り明かして、彼の横顔を見ながら、あたしはそう感じていた。

夜明けなんて永遠に来なくてもいいと思った。

ずっとずっとあのままでいたかった。

寄り添って抱きしめあって、互いの温もりと鼓動を感じる。

触れる場所から想いが溢れてきて、廉君があたしをとっても大切にしてくれているって伝わってきた。

大切だから傷つけたくないと…

痛いほどに気持ちが伝わってきて…

傷ついても良いから離れたくないとは言えなかった。

本当は泣いて別れたくないと言えば、廉君の気持ちが揺らいだと思う。

だけど、それをすれば彼の負担は益々増えるばかりだ。

それだけは…嫌だった。

あたしはもう、廉君の負担になりたくない。

あたしの為に、これ以上苦しい顔はさせたくない。


これでよかったんだ…。