ふう、ビックリした…


どう考えても、聞かれてしまったよね…?


あの表情がそれを物語っていた。



どうしよう…


私が歌うのが好きな事を知っている人は居ないのに。


恥ずかしくて誰にも言った事ないのに。


まさか、聞かれてしまうだなんて…



あ!でも、あの時はメガネを外していたし、普段は髪の毛も縛っているから。


さっきのが私だって気付かれる事はない…よね?



あぁ…でも、やっぱり恥ずかしいです…



もう、二度と屋上には行かないようにしよう。


そうしよう!


そうすれば、さっきの人たちに会うこともないだろうし。



私は走っている最中、そんな決意を固めていたのでした。