「真咲ちゃんがオレンジジュースで梓ちゃんがコーヒーね」 「ありがとうございます」 「ありがとマスター!」 マスターはあたしの高校の生徒の名前をすごく覚えてて女の子全員をちゃん付けで呼んでいる。 おじいさんって言うよりはお兄さんで、30代くらいだった。 あたしは窓際の角の席で梓と向かい合って座っている。 梓は小さいくせに、本当に大人っぽい。 梓と話しているときが一番落ち着く。