あまりによく来るし、それでなくても目立つ海斗を秋穂はすぐに覚えた

同い年くらいかと思っていたら

実は年下だったことを知って心底驚いたのを覚えている

雰囲気も落ち着いているし、立ち振る舞いもどこか洗練されているから

年上のことはあっても年下だとは思わなかった

ただ、どんな子なんだろうと不思議には思っていた

紅茶とケーキしか置いていない小さな店に

彼女連れでも待ち合わせでもなく、

一人で来てはパソコンをしていく海斗

その姿が様になるからまた困りものだったのだけれど

そしてたまに茶葉を買っていく

その買い方と知識から察するに相当紅茶好きだという推測くらいしかたたなかった

そんな海斗としゃべるようになったのは、店を閉めようかと思っていた時だ