すると、沙希ちゃんが夏美ちゃんにニヤッと意味ありげな笑みを送った、途端、


夏美ちゃんが立ち上がって

『きいた?だってよー優也ー』

叫んだ。






は? え、ちょ、黒崎くんがなんで出てくんのよっ?!

はてなマークをいっぱい頭にのっけてたら、黒崎くんが近づいてきた。



『…それ、ほんと?』

「う…うん、ほんと…だよ?なんで…?」

『いや、うん。なら、いいんだ。』


と照れたようにほんのり赤くなる黒崎くんが目の前にいたから、いったい何が"いい"の? とわけのわからないあたしまで赤くなってみた。


すると

『あ゙!!!!!!!!!!やばっ!!!
いま何時!?』


沙希ちゃんがいきなり大声をあげた。


『いまは……12時45分ね。……………!!っやばい!!!!』


夏美ちゃんが答える。


『はいはいーラブラブタイムはおわりーっ!終了っ!これから繭子はうちらと一緒に購買いくんだよーっ!早く早くっ!』

『そうよ、黒崎だけの繭子じゃないのよ。さ、行きましょ!!間に合わない!!!!』


『なんだよーお前らこそずっとベッタリなくせにー。てかなんで急いでんだよー……っあ!!!
やばい!!!!!!!!』
黒崎くんがあわてて走り出す。


『あ、抜け駆け!!やばい!!走るよ、繭子!!!』
と沙希ちゃんがあたしの目を見る。
夏美ちゃんもあたしを見た。



あたしはよくわかんないまんま2人に腕をつかまれて、

『『はやくーっ!!』』


ダッシュで教室をあとにした。






コレが、転校初日。

早くも馴染んだ東 繭子です。
ひがし、まゆこです。







こんな学校、今まで1回もなかった。

なにかが、はじまる予感。