使1「親方様も困った方だ…いきなり道場に入れさせるなんて…。」
平(…。)
使2「村にこのことはいえまい。この村を今日にでも逃げ出そう。」
+*+*+*+
平(あ、風景が変わった。)
夜「ねえ山崎。私どれだけの人を殺めたんだろう?」
山「…」
夜「たくさんの思いや未来を私はどれだけふみにじったんだろ…。」
山「それは夜空様にしかわからないことです。」
夜「そっか…。」
山「何故今になってそのようなことを?」
夜「昨日さ部屋から昔平助君からもらった髪留めが出てきてさ、思い出したんだ。ホントは村が彼を取り入れたのはあたしの遊び相手なんかじゃなくてただの別れや挫折、その他のことを私に刻ませるため。」
山「でも彼は…藤堂平助は少なくともあなたを大切にしていたと思いますよ。その髪留めが証拠でしょう。」
平(彼って俺のことだな…それにあの時渡した髪留めまだ持っててくれてたんだな。)
夜「だとしたらもう一度あいたいよ。もう誰かと幸せになってても一目でいいから見たい。」
山「そうですか…。」
夜「こんな時に言うべきことじゃないのかもしれないけれど本気で平助君が好きだった。この気持ちは間違いなく本物だよ。もう…伝わることも伝えられることもないんだろうけどね。」
平(夜空…。)
夜「最期でいいからあって…私の…私の生きる意味を知りたい。」
夢の中の夜空は大粒の涙を流していた。その涙は単に悲しいなんかじゃなくて後悔と思いの涙だった。でもこんな所からどうやってここに来たのかわからない。あいたいと願っているのならこの村から夜空は出れなかったということ。暗殺の時以外は。もう夜空は壊れた人形のようだった。それに山崎君が親身になって答える。
山「生きる意味…ですか。」
夜「みんな言うんだ。あなた様は人を殺めてこの村に尽くすために生まれてきたんだって。私それじゃあただの村の人形じゃない!こんなことになるのなら産まれて来たくなかった…。」
平(夜空…。)
その時また夢の中にまであの頭痛が襲ってきた。しかしその頭痛は軽く謎の声が聞こえた。

『あなたにそれほどの覚悟があるのなら』