私が教室に入ると、
その子は弾かれたように振り返った。
そして、恐る恐る言った。

「野上さん・・・だよね?」

「うん、そうだけど・・・」

そう答えると
彼女の表情が柔らかくなった。

「私ね、木崎 麻耶!!
あなたに伝えたいことがあって
声をかけたんだ!!」

「伝えたいことって・・・?」