だって、ごくごく、当たり前の事であろう。


弟が、出かけた姉を迎えに行き、帰ったら家族のいる場所で、皆で暮らす。


当然の営みである。


こんな当然の事を、片翼の双子だからという理由に縛られて、何故できなかったのか。


アマネも父の呪縛に縛られて、今まで苦悩してきた。


弟達に気を配る余裕は、なかったのだが、もっと早くにと悔やまれてならない。


「待ってるから。
イザヨイを連れて、帰って来い。
イザヨイは今、天界に居るはずだ。
それと・・・。
悪いんだが、ついでに乃莉子を天界へ、運んでやってくれないか。」


「うん。」


満面の笑で、ヨゾラは答える。


「お兄様。
早くイザヨイに会いたいよ。
天魔の鏡へ連れて行って。」


ゲンキンなヨゾラの姿に、アマネはクスっと笑い、シラサギを見た。


シラサギもアマネに、微笑みを返す。


「万事丸く収まりましたね。
さすが、アマネ様です。」


そう言うとシラサギは、そっとアマネの腕に触れた。


そのシラサギの手を、アマネはギュッと握る。


「だといいが・・・。」


僅かに眉を潜めて、先の事を懸念するアマネであった。