「もう!止めてよ!
シラサギは王妃様なんだよ。
僕みたいな、双子の片割れに、頭を下げたりしちゃダメ。」


ヨゾラは慌ててシラサギに、言う。


そんなヨゾラを見て、堪り兼ねたアマネは、意を決して宣言した。


「ヨゾラ。俺は決めた。
魔王として、初めて独断で動くぞ。
とりあえずお前には、あのお転婆を、魔界へ連れ帰ってもらいたい。
姿を見られる事が、何だというのだ。
上等じゃないか。
堂々と2人揃って帰って来い。
その後はそのまま、王宮で一緒に暮らそう。
分かったな?」


ヨゾラは、これ以上ない程に目を見開いて、アマネを見つめる。


「だって。いいの?
僕らは、双子の片翼・・・」


「恥じる事など、何もない。」


静かな微笑みと共に、力強くアマネは、断言した。


「・・・いいの?
そんな・・・お兄様・・・本当にいいの?
僕達人目に触れて、いいの?
僕が、イザヨイを迎えに行っても、いいの?」


信じられないと言った、ヨゾラの口調に、アマネは苦笑した。