「俺・・・いや、魔界王家には・・・秘密がある。」


アマネは、そう切り出した。


「秘密、ですか?」


「そうだ。」


「先ほどの少女の事・・・で、ございますね?」


「ああ。」


ちょっとだけ、悲しそうに口元を歪めて、アマネは俯く。


「アイツは、俺の妹だ。」


「・・・!?妹様がいらっしゃったのですか。
確かに、それは初耳ですが。
でも、隠す必要がおありですか?」


「双子だから。」


「えっ!?」


「妹は双子なんだ。
妹はイザヨイ。弟はヨゾラ。
俺の双子の妹と弟だよ。
アイツらは、生まれてすぐに、その存在を消された。
よっぽど、翼を持たず生まれ、人間界に送られた方が、幸せだったんじゃないか。
・・・なんて思ってしまうよ。
アイツらの行動は、驚く程に規制されていて、外の者の目に触れぬよう、幽閉さながらの生活なんだからな。
片翼だから何だと言うんだ。
片翼とは、そんなに忌むべきものなのか?
まぁ、それはそうと・・・どうやってイザヨイのやつ。」


「アマネ様・・・。」


シラサギはしばらく、アマネにかける言葉を、探せずにいた。