―――。


イザヨイが王の間を訪れた時、アマネは早々に妹を追い返したのだが、実は、気が気ではなかったのだ。


部屋に戻ると真っ先に、心配そうなシラサギの瞳が、アマネの目に入った。


アマネは大丈夫だと、言わんばかりの微笑みを、シラサギに向ける。


「アマネ様。」


それ以上の言葉は言わず、シラサギはアマネの名を呼ぶに、留めた。


「シラサギには、教えておかないとな。
もう、お前は王家の者だ。」


「宜しいのですか?」


「ああ。
むしろ、聞いてほしい。」


アマネは、ため息をついた。


「アマネ様?」


心配そうな表情を崩す事なく、ため息をつくアマネに、シラサギは問いかける。


いつになく、落胆の色を隠さないアマネが珍しくて、シラサギは軽く眉を潜めた。