「美空、見てろよ?」
「よいっと!」
「ほらどうだ?」
小学校低学年の頃、放課後の校庭。
大人用のうんていを軽々渡る恋斗。
「わ、わたしにもできるもん!!!」
「やめとけよ〜」
「やめない!!!」
あの頃の私は相当、意地っ張りだったと思う。
いまでも、そうなのだが。
ドスン
「イッター...う、うえーん」
最初から、落ちてしまった。
着地がよかったから、大事には至らなかったけど、足に響いた。
「だから、やめとけって言っただろ?」
「だって...だって...うえーん」
「わかった。わかった。よし、よし。」
そう言って、頭を撫でてくれた。