家族にばれないように声を潜めて泣く。



「美空ー」
というママの声に体がビクッとなる。


「な、なに?」


「お客さん」
ママの嬉しそうな声。


急いで涙を拭いて、鼻をかむ。


鏡の前で目が腫れてないことを確認して、玄関へ向かう。