「行ってくるな!」


「まかせとけ!」



そう言って次々とベンチから出ていく選手たちをあたしは笑って送り出した。



だって、あたしが不安そうな顔をして、それがみんなにうつっちゃうのも嫌だし、なにより信じてるから。



黒瀬くんが出ていくとき、あたしに言った。



「桃井が賭けられてるから、もっとやる気でた」


「……え?」


「絶対緑川くんには渡さない」



ストレートな言葉に、顔が赤くなるのがわかる。



……..ちょっぴり、どきどきした。