「理恵先輩!帰りますよっ!!」
理恵先輩の腕を引っ張るけども、まったく動かない。
どんだけ見惚れてるんですかぁっ……
「ねぇ、ゆりなちゃん!頼みがあるんやけど……」
「名前なんで知って……。頼み?」
「さっきその子がゆうてた!そんでな……」
ニヤリと笑う緑川くん。
────また、バスケプレーヤーの顔になってる。
あたし的には、普段よりもこっちのほうが好きなんだけど……
「黒くんにな、オレは成長したって伝えといてや」
黒瀬くんに……?
「わかったよ」
頷くと、緑川くんは小さく笑った。
それから無理やり理恵先輩を引っ張って、楓高校に戻った。