玲奈side




バスケットボールの入ったかごを倉庫から体育館に出しているとき、



「桃井」



黒瀬くんから声がかかった。



「どうしたの?」



「弁当、美味しかったよ」


黒瀬くんはそう言ってあたしに空の弁当箱を渡す。



お昼休みにお弁当を渡して、放課後の部活の時間に弁当箱を貰う。



これが日課になっていた。