「違います。僕はそんな目立つ人ではありません」



「違ぇのかよ…」



残念そうに言う黄瀬くん。


本気でそう言ったのかと思うと、ため息がこぼれてしまう。




「僕は、思い出してほしいんです」


「なにを?」


「彼らが無くしてしまったもの……。バスケを楽しむということを」



────彼らが、無くしてしまったもの。


それを、思い出させる。