「黄瀬くんそんなに怒鳴らないでください。ここにいます」
「どわあっ?!いきなり現れんじゃねぇ!!」
「最初からいました」
黒瀬くんは淡々と答える。
お弁当のときのあれきり、彼の笑顔は見ていない。
「組んだ!?今日は先輩との試合だから、1年生は頑張ってね!!」
「なにいぃぃー!!??」
何回衝撃発言をすれば気がすむのか、理恵先輩は可愛らしく笑う。
1年は勝てる見込みがないからか、テンションが下がっている。
無名の楓高だけども、それは一昨年できたせいもある。
あたしが見るからに、実績はそこそこいい。
どちらかといえば、強いと思う。
今の2年が強いのだ。
3年はなぜか……ひとりもいない。
その理由は今度聞いてみようと思う。