「でも、やっぱりこんだけ走ればお腹がすくね」



自分のお腹を触りながら、ポツリと呟いた。




……ほら、やっぱりパンだけじゃたりないんじゃん…



なんて思っていると



「だから、桃井のお弁当めっちゃ楽しみにしてるから」



黒瀬くんは優しく微笑んで言った。



……ま、また笑った…!!


レアすぎる!!



なのにみんな誰一人気づいていない。



あたしだけ?


こんなに黒瀬くんの笑顔を見ているのは。



「が、がんばる!」


「うん」



もういつもの真顔になっていたけど、前より黒瀬くんに近づけた気がした。