まさかあたし以外にそんなことを思う人がいたなんて……



「無理だろっ……」



小さく聞こえた声に、黄瀬くんは舌打ちをした。



「ちっ。やってもねぇのに言ってんじゃねぇ。最初から諦めてるヤツは上手くなれねぇよ」



意外といいことを言ってくれる。


もうちょっとバカかと思ってたけど、今のは感心しちゃったよ。




それから何人か名前と学年、そして意気込みを語ったところで、



「最後!えーっと……黒瀬くん!!あれ?黒瀬くんは?」



いよいよ最後の黒瀬くんの番に──


なのに、黒瀬くんがいないらしい。