「ありがとう…ございます?」



いちよお礼をいっておいた。


でもあたし別に可愛くなんてないんだけどな……



チラリと彼の方を見ると……



もういなかった。



「さーさーっ♪入部届け書いてねっ♪」


あたしは言われた通り、入部届けを書く。



「いちよ仮入部だから♪」


「はいっ」



かきおえて紙を渡す。


いまだに気づかれていない、彼の書いた入部届け。


紙まで存在感がないのか……(笑)



あたしはその紙を取り、先輩に渡した。



「先輩、これもです」



「あぁ、さんきゅ。えーっと……黒瀬…コウキ…?」



……彼の名前、黒瀬コウキくんって言うんだ…



男の先輩は、驚いたように目を見開いた。




「城南中学出身?!」




────城南!?