「どどどどうしたのっ!?」
ははっ
テンパり過ぎだろ
「別に。抱きしめたくなっただけ」
花音から、優しくて柔らかい石鹸の匂いがした
……やっぱ落ち着くな
癒されるっつーか
「…なんかあったの?」
花音が、心配そうに俺を見ていた
「なんで?」
「だって、元気ないから…。電話でもちょっと元気なかったし…」
電話って…
俺、普通に話したつもりだったんだけど
なんでこいつは、俺のちょっとした変化に気づくかな
すげぇな
「疲れただけ。心配すんな」
「ホントに?ホントに大丈夫なの?」
俺の腕の中にいる花音が、上目使いで聞いてくる