「か、奏くんは下の名前、確かシュージローだったよね?」


「そう、修二郎。古風でしょ」


「うーん、いいとこのお坊ちゃんってかんじ」


何だそれ、と奏くんは笑った。


「二郎ってことは、お兄さんいるとか?」


「ピンポン。兄貴。
ちなみに名前は優一郎。単純でしょ?うちの親」


後ろに(笑)がつくかんじでつけ足した。


「お兄さんか~。何コ上なの?」


「7つ上」


「あ、けっこう上だね」


「今年24かな?
……もうすぐ結婚するし」


「そうなんだぁー!おめでとう!」


「ははっ、ありがとう」


そう言った奏くんの笑顔は、照れているのか眉が少し垂れていた。