「そういえば、何で保健室来たの?具合悪い?」


おっとっと!そうだった。


「あ、これ」


私はポケットからスマホを取り出した。
花のストラップがぷらぷらと揺れる。


「昨日、あれからプレゼントしてくれたんだ。奏くんの言うとおり、みんな覚えててくれたよ」


「そっか。よかったじゃん」


「うん。
昨日、ありがとうね」


「?何で俺に礼言うの?」


「昨日ジュースおごってもらったから」


「ああ、全然。気にしないでよ。
てかそれ言うために来たの?」


うっ……


「わ、悪い?」


「いや、悪くないけど、それでこんなことになってるんだ」


奏くんはサボテンを見て思い出したのか、また吹き出した。


「そういえば、前にここでスマホ落っことしたときも、自分の足で蹴ってベッドの下に滑ってたよね?」


「あれは、蹴ってない!」


奏くんはツボに入ったのか、作業を中断してお腹を抱えている。


「も~!真面目にやってよぉ」