「で?何て返事したの?」


「えっ……」


「悩んでるってことはまだ、か」


「……」


私は黙って奏くんの髪についた葉っぱをひとつひとつ取り除いた。


「森下のこと、嫌なの?」


「嫌じゃないよ!全然っ!」


てか、むしろ、ちょっと好きだったもん。


でも、森下に彼女がいるって勝手に勘違いして、勝手に冷めた。


なのに、森下はずっと私のこと好きでいてくれて……。


何だか申し訳ない。


私はついこの前まで奏くんを好きだと思ってたし……。


……てゆうか、今もすごくドキドキしてる。


奏くんの髪がキレイで、つむじがかわいくて、胸がきゅーっとなる。


こんなこと考えてるのに、森下とつき合うなんてムシが良すぎる気がする。