「かぁっこいいー!こういう人と付き合ってみたいなぁ」



女はみんな同じことを言う。


頭だからカッコいいと。


笑える。



「ね、この後2人でどっか行きません?陸さんの単車乗ってみたぁい」


俺はその女に微笑み、使用済みの花火をバケツに突っ込んだ。



「ちょっとごめんね。便所っ」


その場を去る時、女はふてくされた表情をしていた。



今日はなぜか気分が乗らなかった。


百合の事を考えていたからなのか。


ただ単に体が疲れていたからなのか。



夜の砂浜はどこまでも暗く、そして歩きにくい。まるで夢の中のようだ。


ふと階段の所を見ると奈緒が一人で座っている。


栞は・・・亮の元へ走ってくのが見えた。



女一人であんなとこにいて馬鹿じゃねぇの



俺は足早に人気のない場所へ行って便所を済ませた。