「俺はそんなに簡単には傷つかねぇよ。言ってみろって」



舜はいつもこうやって、あたしが話しやすいように導いてくれる。


そしてあたしの心を軽くしてくれるんだ。



「……蒼太と優華の心に優太を埋め込みすぎて、反抗期になった時に、もし……」



でも、やっぱり言えない。


絶対に傷つけちゃう。



「“もし”……何？」


「……」


「絢華、言えって」


「もし、……舜に向かって、“ほんとのお父さんじゃないくせに”とか、言っちゃったら、どうしようって」



……傷つけたよね？


怖くて、舜の顔が見れない。



「なんだ、……そんなこと？」


「えっ！？」



思わず顔を上げて、舜を見た。


“そんなこと”って……



「それ、ほんとのことだからしょうがなくねぇ？」


「えっ、や、でも……」