「あたし、今が……今のこの生活が、凄く大切なの。だから、優太のことを話すことで、それが壊れちゃったらって」



我慢していた涙が、ぽろぽろと溢れてきた。


こんなに溢れてきたら、もう言葉にはならない。


舜はあたしをぎゅっと抱き締めながら



「壊れねぇよ。優太さんは蒼太と優華のほんとの父親だろ?今の絢華があるのは優太さんがいたからだろ?……そういうのを全部含めて、俺は絢華を好きになったんだ。……つっても、俺が不安にさせたんだよな?絢華、ごめんな?」


「舜のせいじゃない。あれがなくても、……あたし、少し前からずっと考えてた」


「考えてたって、何を?」


「これでいいのかなって」


「これで……って何だよ?」



舜はあたしを抱き締めていた腕をゆるめて、顔を覗き込んできた。