その夜――…



「絢華、ごめんな」



布団に入って、目を閉じた瞬間に聞こえた声……



「舜?」



どうして謝るの?



「この前、俺があんなこと言ったから。……絢華、俺に遠慮して優太さんの話をしなくなったんだろ?」


「……」



やっぱり気付いてたんだ。


さっき舜が突然優太の名前を出した時に、もしかしたら気付いてるのかなって思ってた。


普段から、優太の名前を出すのはほとんどあたしからだったから。



「何が良くて、何が悪いのか、わかんなくなっちゃって」


「絢華?」


「あたし、優太のことは、今でも愛してるし、蒼太と優華のパパだってことも変えられない事実。……でも……」



優太のことを話すといまだに、目頭が熱くなって、言葉に詰まる。



「絢華?」



舜が心配してか、あたしの顔を覗き込んできた。