「おや、チャイコさん」



私の週一の散歩コースには、様々な猫が飼われている。
このポチさんが一匹目だ。
念のためもう一度言うが、猫である。



「ポチさん、お元気ですか」


「今日は天気が良いからね、なんだか調子が良い気がするよ」



しゃがれた声でほっほっと笑うポチさんは、17歳という長寿のせいかいつも縁側で横になっている。


そうだ。単純に考えるとポチさんと愛子さんは同い年なのだ。
けれどもちっとも、二人は似ていない。
不思議なことだ。



「気をつけてね」



散歩の度にポチさんは、声をかけてくれる。
なんでも私が現れると、一週間が経ったということが分かって、今日が何日か思い出すんだとか。
しかしそれは変なことだ。
週一で散歩すると決めている私でもない限り猫にとって人間の暦なんてものは必要のないものなのだから。


かく言う私も、実は今日が何日かを数えているわけではなく、単に家族全員が休みで家にごろごろいると五月蝿くて昼寝も出来ないから外に出る、それが偶然七日に一日起こるのだ。