「……あいつ、文化祭でも一緒にいたよね」 「……」 頭がぼーっとして、思考がうまく働かない。 文化祭? 確かに、いたかもしれない。 わかんないよ。 だって、そんなの意識してないもん。 「……彼氏?」 その質問には、迷いなく首を横に振った。 「あんなとこでふたりで見つめあっといて説得力無いけど」 「本当に、違う…」 唇は解放してくれたけど、視線はまだ至近距離で私を捉えたままだ。