「ごめん、待った?」 樫野くんの隣に腰をおろして、問いかける。 「いや、俺もさっき来たとこ」 「そっか」 よかった。 急いで来たかいがあった。 「で、なんで私呼び出されてるの?」 早速本題に入る。 樫野くんは、お風呂上がりのせいか心なし顔が赤いような気がした。 「……マジで、気付かない?」 ぽそ、と呟かれた言葉に、私は思わず首をかしげる。 ……気付かない…? 何に…?