その時間の授業は心ここにあらず、っていう言葉がぴったりで。


まったく授業の内容なんか耳に入ってきていなかった。


もうすぐテストなのに。


集中しなきゃいけないのに。


でも、そう思えば思うほど、頭の中は京佑くんのことばかり浮かんできて自分が嫌になった。




「アヤ、班一緒になろうね?」


「……」


「おーい!ア・ヤ!!」


耳元で叫ばれて、ようやく意識が現実に戻ってきた。


「え!?」


あれ、もう授業終わってた!?


時計を確認すると授業が終わってからかなりたっていて、どんだけぼーっとしてたんだ、と自分にあきれる。


しかし、ずいぶん騒がしいな…。


きゃあきゃあと、いつもよりなんだか皆のテンションが高い気がする。


「……あ、次LHRか」


「そうだよー。合宿の説明でしょ?楽しみだよね」


嘉乃がにこっと笑った。


……合宿?