「永原さんのことが――」

「あ…煌……!」


西塚君が何か言おうとしたちょうどその時、煌が現れた。


「…ッ!!工藤さん!?」

「あっ…ゴメン、邪魔しちゃったよね!じゃ、私帰るから!」


「煌……」


西塚君は、ポカンとしている。煌のあの態度にビックリしたんだろう。




もう、これで分かった――。



煌は西塚君のことを好きだということを。


「あの…俺もう終わったんだけど。永原さんは?」


「私も終わった。帰ろっか」

「うん(照)」


西塚君は、照れくさそうな顔をした。





――帰り道。

私と西塚君は、煌のことについて話していた。

「なんか、明らかに怒ってたよな…」

「そうだよね…」

「なんでだろ。」

「私も、分からないなぁ。」

「明日、煌に聞いてみるよ。」

「是非ともそうしてな。あとさ…」

「?」



西塚君はスクールバックの中から、小さい紙切れを取り出した。


「それ、俺の電話番号とメアド。永原さんと、もっと話したいからさ。」

「うわぁ、ありがとう!!すぐにメールするよ!」

「メル友としても、よろしくな」

「もちろん♪」

「じゃあな」

「バイバイ」



西塚君のメアドをもらえたのは嬉しいけど、煌のことが頭につっかえていて、素直に喜べないなあ……



――でも、西塚君にメールしてみよう。私は西塚君を好きだから。まっすぐな思いを持っていれば、きっと大丈夫。絶対大丈夫。