「これをここに移項して……って瑠花起きて!」


「んにゃ?あー…ごめーん」


「数学、70点以上採りたいんでしょ?頑張ろう」


「うん…」


お母さんに言われたんだよなぁ…


(70点以上採らないとお小遣い無し!!)



はぁー…最悪ぅ〜。


「方程式難しいもんな。しょうがないよ。でも他は完璧だから70点いけると思う」


「そうかなぁ?頑張るよ♪」


「おう。もうそろそろ下校時刻だから帰ろう」


「うん!!」



私たちは学校を出た。


「嫌いな勉強も夏樹と一緒なら楽しかったよ♪ありがとう」


「俺も瑠花の寝顔見られて良かった!」


「うわ〜あ、恥ずかし(照)」


「……ねえ瑠花」


「ん?」



すると、私の手に暖かいものが触れた。


「手繋いでもいいでしょ…?」


「……はい…!!」


「瑠花の手、暖かいな。お前の性格みたいだよ。」


「えへへー★」



夏にしてはわりと涼しい夕方だったが、私の左手と夏樹の右手だけはほんのり暖かかった。