――ガチャガチャ。



屋上のドアを開けようとする音がする。




夏樹だ…。




「あんなの無駄無駄。さあ、瑠花ちゃん♪楽しみにしててね♪」




全然楽しみじゃないよ!!


颯斗先輩は私に股がった。



私は、恥じらいの気持ちが薄れていった。




怒りの気持ちが強くなる。



初対面の女子をこんな目にあわせるなんて……




颯斗先輩が私の手を離して胸を触ろうとした時、私は怒りがMAXになった。




「いい加減に…」




「ん?どしたの瑠花ちゃん」




「いい加減にしろよっ!!」



私は颯斗先輩の顔面を殴った。




颯斗先輩はポカンとしている。



「初対面の後輩女子にこんな目にあわすな、このド変態っ!」



私の足は、自然と颯斗先輩のすねへ当たっていた。



「痛っ……瑠花ちゃん、そんな怒らなくても…」




「黙れ!!しつけぇんだよバカ!死ね!!」



颯斗先輩に回し蹴りを食らわせ、制服を着直して、私は屋上を出た。





屋上のドアの前には夏樹が唖然として立っていた。



「瑠花……怖い…」



「あっ、ごめん!!えっと…さっきのは…我を忘れていたというか…その…(汗)」


「もう何でもいいよ。瑠花が無事だから。さ、帰ろ?」



「うん///」





今日は…とても疲れたな。





初夏の夕焼けを見ながら私と夏樹は二人、帰り道を歩いていった。