「気がついたか?」
「...カイト?」
私はドアから入ってきたカイトに目をやった。
「綺麗だろ?夜の世界もなかなかいいものだ。」
「..そうね。悔しいけどとってもステキ。」
私はまた窓の外に目をも出すとうっとりとした声を出した。
暗いから何もかもが輝いて見える。
私の国は全部が全部明るいから何かが目立つことはないのだけど。
これはこれで素敵。
でも、あれは...?
「カイト?あれは何?丸くて銀色の...。」
私の世界では空にあるのは赤い太陽と白い雲。
あんなもの見たことがない。
「あれは月って言うんだ。そうだ、ちょっと外に出てみるか?」
外?
でも、私は一国の姫。
敵の世界で見つかったら...