『朝から…変な奴に会うし…ついてないや…』

桜が咲く、校門をくぐり、潔く一…。

…「なーーるるーん♪」

…自転車のベルと共に聞こえてくる、バカでかい声…
……あいつとは金輪際付き合いたくない。

そんな気持ちをよそに、暴走してくる自転車…。
私の横に来た、、、。


私の裾を掴み…

「なるるぅん??どうして待ってくれないの??」

無視。無視…。
「おーい??」
五十嵐優真が私の顔を覗き込む。
……っっ!!
いきなり顔を覗かれて…私はドキッとなる…。

『な…っ何すんのよ!!
五十嵐優真!!!』

「えー!フルネームはないっしょ!フルネームは…。」

『じゃあ、何て呼べばいいのよ…っ』

――……。
何。この顔…
五十嵐優真…泣いてる?

―…ううん、泣いてない。
でも、すごく辛そうな顔。
『五十嵐優真―…?』

「あっ!優真でええで!」

―…さっきとは違ってぎこちない関西弁。

「んじゃっ!俺、先行くわッ」