この話はaさんが二年前に本当に体験した話です。


aさんは今親も兄弟も居ません。
二年前のあの事件のせいで。
それからずっと、ずっと日本人形が怖くなりました。
私もaさんも。

今から二年前の夏。

aさんにはおばあちゃんが居ます。でも入院していました。
だからお兄ちゃんとお姉ちゃんとaさんでおばあちゃんの部屋で寝る事にしました。

ドラマを見るためでもありました。
寝転びながら、テレビを見ていました。

ふっと周りを見ると、真っ暗。見えるのは赤い物体。
よく見るとそこには家に飾って居る赤い服を来た、日本人形が立っていました。
aさんはびっくりしました。
そして日本人形はaさんを見て笑いました。笑い声は大きくなりました。

そしたら明かりが見え、声が聞こえて来た。
aさん夢かぁとホッとしました。
ドラマで笑って居る役者。
ただの夢だと思いました。最初は。
その次の日も又その次の日も見ました。築くと日本人形を見なくなりました。
見ると笑って見えるから。aさんにとって恐怖でした。

ある日の事。
aさんのおばあちゃんが突然の死。
どうして死んでしまったのか誰にも判らない。
あの夢を見てから災難が起こって居る。
親戚の死。友達の怪我。

そして事件は起きた。

階段を上がろうとしたら…階段にうちにある日本人形立っていた。
ケースから出ていていた。

そして手には太鼓じゃなくて血の付いたナイフを持っていた。
怖くて外に走り出した。裸足で走り出した。
でも追いかけて来た。
曲がっても曲がっても追いかけて来た。
どこに行っても追いかけて来た。
足から血が出て来た。でも走った。
怖くて、怖くて涙が出て来た。
周りも誰も居ない。どこを走っても誰も居ない。
「なんで!なんで!誰も居ないの誰か助けて」
「待って待って」
人形がしゃべった。
よく見ると目、鼻、口、耳、肌の色が本物ようになってる。
髪に艶が出ていった。
「どうして、どうして!」
「逃げないで」
「キャー」
転んでしまった。走って来た方を見て座った。
居ない。日本人形が居ない。
立とうとした。「逃げれないよ」
「何?何が目的なの?」
「人間なりたいの。後もう少しで人間になれる!」
「何かしたの?」