離すものか…


そう言いたかった。


でも俺は、その言葉を呑み込み
星良を強く抱きしめた。


これで許してくれ…


心で詫びながら、上気した肌に何度もキスをする。


相変わらず感度のいい体
そんなお前を、俺はワザとジラす。


ねだるお前の顔が好きだ…


もっと、その顔を見せてくれ


ゆっくり時間を掛け
星良の限界ギリギリの所で、やっと俺達は一つになる。


星良の乱れた髪が揺れ
長い睫毛が伏せられると
普段の可愛い星良は消え去り
妖艶な大人の女性へと変貌していく…


時折漏れる声さえも、まるで別人で
もっとソノ声が聞きたい…という欲求を抑える事が出来ない。


甘く痺れた感覚に酔いしれ
愛欲の闇の中に堕ちていくこの瞬間…


この瞬間だけは、間違い無く俺はお前のモノだ…


星良だけのモノだ。


同時に果てたお互いの体を抱きしめ
暫く言葉も無く横たわっていた俺達


このまま、何も言わず
俺を抱きしめていて欲しい…


でも、終わった後、必ずお前は言うよな。


「愛してるよ。仁…」って…


俺は、その言葉に頷くだけ


どんなに俺がお前を愛してるか…
それを言葉で伝えられないもどかしさが胸を締め付ける。


"愛してる"その言葉の重みが
いつか星良を苦しめるんじゃないかと思うと
怖くて言えない。


でもな、心の中ではいつも叫んでる。


愛してる…


愛してる…


何度も、何度も…


愛してると…