まんまと明日香にしてやられた感は否めないが
嬉しそうな星良の顔を見て
まぁ、いいか…
なんて思ってしまう俺は、本当にダメな男だ。


食事を終え、会社に戻ると
俺は明日香を先にオフィスに戻し
非常階段のドアを開け
星良を外に連れ出した。


冷たいビル風が吹き抜けていく階段の踊り場で
俺は、乱れた髪を気にしてる星良を抱きしめる。


「仁…」

「今夜、部屋に行くから…」

「ホント?」


甘いシャンプーの香りがする髪を撫で
紅に染まった頬にそっとキスをすると
星良の温かい吐息が俺の首筋を掠めていく…


星良の一番感じる耳元にもキスを落とすと
首を竦め可愛い声を上げた。


そんな声出されたら
イジメたくなるだろ…


星良の体を壁に押し付け
ブラウスのボタンをゆっくり外していくと
彼女の高鳴る鼓動が指先から伝わってきて
俺まで熱くなる。


「何、興奮してんだ?」

「だって…こんな所で…」


付き合いだして8年になるが
この恥じらいは全く変わらない。
なのに、ベットの中では驚くほど大胆で
そのギャップが堪らなく男心をくすぐるんだ…


そんな事、星良は気付いてないんだろうな。
いや、気付いて欲しくない。


俺だけが知ってる星良の本当の姿
他の男に見せたくない…


見られたく…ない。


なのに、幸せな結婚をして欲しいと願ってる。
矛盾して揺れる俺の2つ心


ただ今は、お前を独占したいという気持ちに歯止めが利かず
夢中で星良の白い膨らみに"愛の証し"を刻み付けていた。


決して、言葉にする事のない気持ちを込めて…


星良、愛してる…