「星良に相談なくモデルを決めた俺が悪かったんだ」
お前の泣き顔を見てしまうと
やはり、ダメだ…
「成宮の事も、抱いてもらえなんて
俺の本心じゃない」
パッと明るくなる星良の表情
その笑顔が堪らなく可愛くて
俺の決心はどこへやら…って感じだ。
情けないよな。
本当はここで、冷たく突き放すべきなんだろう
それが本当の優しさだと分かっていても
どうしても、それが出来ない。
「専務、認めたらどうですか?
星良ちゃんが好きだから嫉妬したって」
「何?」
明日香がニンマリとヤラしい笑顔で俺を見る。
「ちゃんと認めなかったら
星良ちゃんの事、専務に任せる訳にはいかないな」
「あ、あの…明日香さん
私はもう、十分だから…」
「ダメよー!!
ここでハッキリさせておかないと
どうせまた、モメるでしょ?
その度に、一晩中泣きながら電話で愚痴られる私の身になって欲しいわ!!
睡眠不足はお肌に悪いんだから!!
ほら、サッサと認める!!」
「ぐっ…」
明日香には敵わないな…
「あぁ、そうだ。
アレは俺の嫉妬だよ」
やけくそ気味にそう言う俺を
明日香はまだ納得いかない顔で見つめている。
「そもそも、専務が勝手にモデル決めたのが悪かったのよね~
責任取って下さい」
「せ、責任って…?」
「そうね~…
もう少し暖かくなったら、ゴルフのコースでも連れてってくれる?
南郷カントリークラブでいいわ」
「南郷?あそこはビジター料金1人4万だぞ?」
「いいじゃない。
私と星良ちゃんと専務、3人で行きましょ!!
それとも何?
星良ちゃんには、4万の価値もないって言いたいの?」
惨敗だった…
明日香は間違い無く
俺が苦手とする女のベスト3に入るな…
「分かったよ。
連れてきゃいいんだろ」