「ユイさん、命令は」


 すぐさま、部下がユイに聞く。

 だがユイは、軽く首を横に振った。


「私達が小型ヘリでこの船を離れたら、直ちに魚雷の射程距離外に行くこと。これだけよ」

「でっ…ですが」


 言い返そうとした部下の言葉を遮り、ユイは心なしか声を大きくして言った。


「戦闘が終わった時に、我が家へ送り届けてくれる船を失う訳にはいかないの。分かるわね?」

「……はい」


 有無を言わせないようなユイの口調に、部下は頷くしかなかった。


「準備はいい?」


 満足そうに振り返り、ユイは言った。

 三人は、無言で頷く。