海を見渡すと、10時の方向に一隻の船が見えた。

 遠目で見ても、明らかに軍艦のような船だった。

 ざわっ、とした感覚が広がる。

 エイジとレンに目をやると、二人とも同じ表情を浮かべていた。

 レンは腰に挿した刀に、無意識に手を触れて。

 エイジは内ポケットからタバコを取り出し、火を点ける。

 ミサトの顔に、思わず笑みが浮かんだ。

 微笑み、とは違う。

 不敵な笑いだった。

 また、船の傍で爆発が起きる。

 微動だにせず、三人はこの船に攻撃を仕掛けているであろう軍艦に目をやった。


「…何故ウー・イー・シーっつうクソ組織が、闇の組織と言われるのか…」


 エイジが呟く。