この海。

 何か、漠然とした感覚がある。

 エイジも真っ直ぐにこっちを見ている。

 ということは、きっと同じ感覚があるのだ。


「…分からない…だけど、何かを感じるの」


 ミサトは思ったことを正直に口にした。


「俺達もだ。それが何かは分からねェがな」

「強いて言えば、この船に乗った時から、戦闘前の緊張感がずっとあるような感覚かな…」

「確かにな」


 全員が納得した、その時。

 船が、急な旋回行動をとった。


「……っ!」

「何!?」


 いきなりの揺れに、三人は慌てて甲板の手摺りに掴まる。

 その瞬間、船のすぐ脇で水柱が上がった。


「魚雷!?」

「ウソだろ!」