ユイが言っていたように、沖に停泊していた船は豪華客船というには小ぶりだが、立派なものだった。


「つか…」


 タバコをくゆらせながら、エイジはその船を見渡す。


「半分、軍艦ぽくねェか?」

「そうね…一応、ヘリポートもあるし。カモフラージュしてるけど、軍艦並みの装備はあるわ」

「戦争でもおっ始めるつもりかよ」


 レンも呆れた様子でそう呟きながら、船に乗り込んだ。

 これで、取り敢えず危険区域は脱出した。

 あとは自分たちの本拠地に戻って、とにかくウー・イー・シーとの対決に備えるだけだ。