「沖に迎えに来てくれる船は、そこらの豪華客船より程度はいい筈よ」


 冗談っぽく、ユイは笑ってみせる。

 エイジが呆れたように言い返した。


「ったく…どんだけ金持ちなのかねェ」

「私もよく分からないのよ」


 何気ない会話。

 だが、ミサトは黙ったまま窓の外を眺めていた。

 そんなミサトの様子を見て、三人は心の中でため息をつく。

 それから小一時間後、小さなボートが見えた。

 四人は、その迎えのボートに乗り込む。