「嫌…っ! 行かないで! 一緒に…一緒にいたいの!!」


 歪む視界の中で、エイジがゆっくりと振り返るのが見えた。

 涙がとめどなく溢れる。

 もう、嫌だ。

 もう、大切なものを失うのは…嫌だ。


「みんなが一緒にいなきゃダメなの…お願い…」


 そう言うとミサトは、激しく咳き込んだ。

 次に目を開けた時には、レンが肩を抱いていた。


「…まだ、言えるじゃねェか」


 その瞳は、優しく笑っている。


「レン…」

「素直な言葉がよ」


 そしてミサトは、エイジの姿を探す。